女性二人が寄り添う写真

婦人科一般では、生理不順、不正出血、下腹部痛、おりものの異常など、女性特有の症状を診療します。
婦人科一般は、「女性総合診療科」とも称すべきトータルな女性医療の相談の場となっております。 気軽にご来院ください。

このような症状のときは、
ご相談ください

  • 月経の異常(周期や期間、出血量が通常と大きく異なる)
  • 不正出血(周期的な月経以外に、不規則な出血がある)
  • おりものの異常(色や臭いが普通と異なる)
  • 外陰部の異常(痒い、赤く腫れる、ただれる、痛い、しこりがある)
  • 腹痛(女性の場合、消化器等の疾患に限らず、子宮や卵管、卵巣の病気によって起こることもある)

主な疾患

過多月経

月経血の量が異常に多い病態を総称して過多月経と言います。
出血量は80mL前後が正常で、150mL以上の場合が過多月経とされています。出血量を正確に測定することは難しいので、現実的には本人の訴え(貧血を伴うなど)によって過多月経かどうかを判断します。
過多月経は大きく2つに分けられ、子宮に異常はないが、女性ホルモンの分泌異常や子宮内膜で止血凝固機能の異常が起こって生じる機能性過多月経と子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、血液疾患などの基礎疾患がある器質性過多月経があります。

月経困難症

月経時に下腹部の痛み、腰痛、頭痛、吐き気といった症状が起き、日常生活に支障をきたすほどの月経を月経困難症と言います。
月経困難症には、子宮や卵巣に問題がみられない機能性月経困難症と、子宮に何らかの問題を抱えている器質性月経困難症という2つに分類されます。
治療に関しては、機能性月経困難症の場合、過労や精神的ストレスによることが多いので、痛み止めや、女性ホルモンのバランスをコントロールするような薬(LEP)が使用されます。
また、器質性月経困難症では、基本的には原因となっている病気を治療することになります。

生理不順

月経周期は25日以上38日以内であれば正常です。月経周期が25~38日周期以外の時はご相談ください。

稀発月経

月経周期が39日以上である場合は「稀発月経」(月経がたまにしか来ない)と言います。
原因としては、子宮や卵巣、甲状腺、脳下垂体などの病気、急激なダイエットや過度な運動、ストレスなどによるものがあります。

頻発月経

月経周期が通常より短く24日以内のものを頻発月経と言います。頻発月経は、年齢など、何らかの要因で卵巣機能が低下し、ホルモン周期の卵胞期や黄体期が短縮することが原因です。卵巣機能が低下すると、脳下垂体からの性腺刺激ホルモンの分泌が促され、結果として排卵が早まり、卵胞期が短くなります。また、排卵されると黄体を形成し、黄体ホルモンを分泌します。年齢とともに、この黄体機能が低下し、黄体ホルモンが正常に分泌されないと、子宮内膜が脱落しやすくなり、通常よりも黄体期が短くなります。発症する原因としては、加齢や、急激なダイエットやストレスによるホルモンバランスの崩れ、子宮や卵巣、甲状腺などの病気のほか、初めての生理から間もない時期などの場合に起きるとされています。

無月経

90日以上月経が来ない場合を無月経と言います。
無月経の多くは、排卵がうまくできない、もしくは卵巣機能が低下していることが多いです。また、無月経の原因にもよりますが、子宮体癌のリスクが上昇することがあり、定期的に月経を来させる必要があります。3か月を目安に、月経が来ない時はご来院ください。
もちろん妊娠が考えられる場合は、早めにご来院ください。

月経前症候群(PMS)

月経開始の10日ほど前くらいから始まる身体的、精神的に現れる様々な不快な症状です。これらの症状は、月経が開始する時期と同じくして症状が改善するのが特徴です。症状の程度も様々で、日常生活の支障をきたす場合は治療が必要です。著しく気分の変調をきたす場合は月経不快気分障害(PMDD)ともいわれます。PMS、PMDDの原因は、様々な要因が関わっていると考えられています。検査は問診が重要で、血液検査で他の疾患の除外、精神疾患との鑑別、子宮、卵巣の病気がないか確認することも大切です。治療は生活習慣の改善、LEP製剤、漢方、向精神薬、ビタミン剤などの薬物療法がなされることもあります。

不正出血

一概に不正出血と言っても、出血量、出血の時期、出血の期間、血液の性状、他の症状の合併などにより、出血の原因は様々です。ホルモンバランスの崩れだけが原因だけでなく、癌や子宮、卵巣の病気、性感染症、ポリープなどが原因のこともあるので注意が必要です。原因のはっきりしない不正出血がある際は、一度婦人科受診をお勧めします。

月経痛

月経痛が特に強い場合を、月経困難症と言います。吐き気や下痢、頭痛、腰痛、過多月経を伴うこともあります。原因は子宮筋腫や子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮の向き、大きさ、硬さ、精神的な要因などがあります。検査は、子宮、卵巣の超音波検査が第一ですが、MRIなどの画像検査で評価することもあります。治療は、原疾患の治療はもちろんのこと、LEP製剤や、黄体ホルモン製剤、漢方、偽閉経療法などの薬物療法、IUS(子宮内黄体ホルモン放出システム)などを使用することがあります。

子宮頸部異形成

子宮頸部異形成には軽度異形成、中等度異形成、高度異形成があります。検診などで子宮頸部細胞診が要精密検査になった場合は、パピローマウィルス検査や子宮頸部組織検査を行います。軽度異形成、中等度異形成の場合は厳重な管理が必要です。また、高度異形成病変以上になると手術(子宮頸部円錐切除術)が必要となり、主に連携している総合病院へご紹介いたします。性交渉を持った後は、定期的な子宮頸部細胞診を行いましょう。

子宮筋腫

子宮にできる良性の腫瘍で、30歳以上の女性に3人に1人に認めるとも言われています。女性ホルモンにより大きくなり、小さな時は自覚症状がありませんが、大きくなると、月経の異常(過多月経、月経痛、過長月経)、不正出血、体解の増加、頻尿、便秘、不妊症の原因となり治療が必要となります。

子宮内膜症

子宮内膜組織が、子宮内膜以外のところにできる病気です。月経のたびに月経と同じように増殖と剥離を繰り返し、炎症と癒着を引き起こします。月経痛、腰痛、性交痛、排便痛、不妊症などの原因となります。

子宮腺筋症

子宮筋層の中に子宮内膜組織ができる病気です。月経のたびに子宮筋層の中で出血を起こし、徐々に子宮筋層が厚くなります。月経痛、経血量の増加をもたらし、さらには不妊症、流産、早産の原因ともなります。

卵巣腫瘍

卵巣腫瘍とは、卵巣の「できもの」ことを総称して言います。
卵巣自体はうずらの卵よりやや大きい臓器で、左右に1個ずつある小さな臓器ですが、ここには単純にお水が溜まったような「のう腫」から、悪性の「がん」に至るまで、いろいろな種類の腫瘍が発生するのです。
このような腫瘍は年齢に関係なく、あらゆる女性に発生する可能性があります。

帯下異常

おりものが多い、汚れている、におうなど症状がある際は、感染症の可能性があるため、受診をお勧めします。

外陰部の異常

外陰部が痛い、腫れている、できものがある、ただれている、かゆいなど、症状がある際は受診をお勧めします。